XL Middleton
Foesum直径のLongBeach系G-Funkで日本でも話題のアジア系ラッパー兼プロデューサーXL Middletonがインタビューに応えてくれた。アジア系であることからくる思い、現状のシーン、自らの音楽について語ってくれた。
■まず最初に自己紹介をしてくれる?

XL:ワッツアップ!? 俺はXL Middletonだ。West Coastingしているヘッドスラッカーだぜ。

■出身地がPasadenaというとこみたいだけど、どういう場所なの?

XL:PasadenaはLAから北西に15分ぐらい行った110フリーウェイの終点さ。自分自身でひとつの世界を持っているようなところだよ。Pasadenaにはこの世の中で必要なものがすべてそろってるんだ。例えば偽者のIDやニューポートのブートレッグからうまい寿司レストランも何でもあるぜ。Pasadenaの言葉のアクセントも特徴的だな。なんでかというとSouthからたくさんのファミリーが移り住んでるからなんだよ。WestCoast-Southernってな感じでみんな話すんだ。面白いだろ?Pasadena出身者は結構いるんだぜ?Scipio, Jon Bは音楽界で。Chris MacAlisterとStacey Augmanはスポーツ界で活躍してるだろ?知ってたかい?

■小さいころはどういう子供だった?

XL:身の回りで起きることをすべて観察して、それを吸収するようにしていたよ。Blooodsのみんなと高校に行ったり、イカレタ白人たちとスケボーもしたよ。Pasadenaではいろいろなころが出来るんだ。仲間たちと一緒だったぜ、大学にも行ったよ。そういう経験が俺の音楽に現れてると思うよ。若いころに仲間たちと初めて、今もそれが続いているし、そういった仲間達に関係するような音楽を作りたいね。

■小さいころよく聞いたのは?

XL:俺はHip-Hopの2世代目だろ?だから初代のアーティストのをよく聞いたよ。Grandmaster Flash, Run DMCとかをさ。EPMDやNWAみたいな80年代後半から90年代初頭にかけての音楽を聴いて育ったんだ。俺が本格的に音楽製作に興味を持ったのはNWAが解散した後に彼等の音楽を聴いてからさ。Dreの”Chronic”は音楽的にとても影響を与えてくれたし、初期のIce Cubeはリリカルな面でとても影響を受けたよ。

■いつ頃どんなきっかけでラップをするようになったの?

XL:9歳か10歳のころThe College Boyzの”Victim Of The Ghetto”とEPMDの”Crossover”をきいたときだな。なんだか俺の心をつかんで離さなかったんだ。作曲、プロダクション、アレンジなどすべてに注意を払ったよ。俺の家族は音楽家が多いんだ。だから小さいときでもそういったものを気にすることが出来たんだ。なにかそういうものに自分自身でトライしなきゃいけないって感じたんだな。

■日系・・・なの?

XL:ジャパニーズ・ハワイアン。人種的にはジャパニーズだけど大体の家族はハワイ出身だよ。

■Long Beachのアーティスト、例えばFoesum, Twinz, Bigg Steele, Bo-Rocc, E-White等、に多くのコネクションがあるみたいだけど?

XL:Bigg Steele以外はFoesum経由で知り合ったんだ。Bigg Steeleは俺のHomieでSuga Freeのプロデューサーとして知られているBig Saccs経由で知り合ったんだよ。俺の次のアルバムはFoesumのレーベルThe Perfection Labelからのリリースになるぜ。彼等とは長い付き合いなんだ。Foesumの次のアルバムの後は俺の番だな!

■スムースでレイドバック、さらにFunkなどなど、とてもタイトな作品を”New G-Funk”と私は勝手に呼んでるんだけど、あなた自身はどのように表現する?

XL:おかしいと思われるかもしれないけど・・・ミュージカル、俺の音楽はミュージカルなんだよ。俺たちはドラムマシーンとコンピューターソフトウェア、そんなものに覆い隠されちゃって本当の音楽を忘れてしまっているんだ。ひとつの側面として、すべての音楽はライヴなんだ。誰かがドラムをたたき、他の誰かがベースをプレイする。また他の誰かはキーボードを・・・って感じにね。少し前はドラムマシーンとシンセサイザーだけだなんておかしいと思われていたけど、今はみんなそれを持ってる。俺はそのライヴの当時の音楽に戻そうとしているんだ。例えキーボードだけを使って他の楽器を使わなかったとしてもね。努力すれば出来ると思うよ。コードと強いメロディー、ファンキーなベースラインが好きなんだ。最近のそこら辺で聞けるプロデューサーはスゲェシンプルなだけだ。そいつ等はキーボードの使い方を知らないんだよ。ただ遊んでるだけで運良くいい音が手にはいっただけさ。

■Gang Bangin’なものよりもDrinkingなものの曲が多いみたいだけど?

XL:ただ俺が知っていることをしゃべってるだけさ。俺はギャングじゃなかったしね。俺が知ってるのは酒を飲むこと、パーティーすること、ヤること、バカ騒ぎすることが基本だし。それとは逆に、たくさんのことを考えるし、新聞も本も読む、ノーマルといわれることをたくさんしてるよ。50Centがラップしていることは彼の仕事のことだ。なぜなら彼は50Centだから。誰もが出来ることじゃないってことさ。俺が銃を持ってるとこを見たことがあったとしても、それは自分の身を守るためさ。俺はそんなことについてラップしないよ、だって他にもたくさんのラッパーがそういうことについてラップしてるからね。

■"Music 4 A Drunken Evening"は2枚組みだけど、1枚ずつでもよかったんじゃないの?

XL:二つ理由があるんだ。ひとつはリリースしたい曲が多すぎたこと、二つ目はただでっかくて、壮大で、誰も否定できないようなものをリリースしたかったってこと。”Drunken Evening”は買うべきだぜ。だって1枚のCDの値段で2枚のCDを手に入れられるんだからな。それにみんなの好きなアーティスト、Foesum、E-White、Bo-Rocc、Dr.Stank達が参加してるんだからさ。でも、ある意味では2枚組みにしたのを後悔してるよ。もっと曲を絞って最高の1枚のCDにするべきだったとね。2回目のプレスをするときにそうしようと思ったんだけど、2枚組みのままにすることにしたんだ。そのほうがみんなにこのアルバムのことを知ってもらえるからね。

■ XL自身のレーベル”Crown City Entertainment”はどういう形でスタートさせたの?

XL:Sic SenseとRevと2002年にスタートさせたんだ。俺たちはグループとして音楽をやってたんだ。俺たち3人ともう一人メンバーがいたんだよ。でも、あんまりそのグループのシチュエーションがよくなくてソロになろうと3人で決めたんだ。お互いのコネクションを維持したままグループを辞めてソロとしてスタートしたんだ。それからYoung Tremavneを2003年に、最近では1stBornとBlack&Mildを参加させたんだ。

■ レーベルのアーティストを紹介してくれる?

XL:OK。Sic SenseとRevはアルバムをリリースしてるよ。俺たちのサイトwww.crowncityentertainment.comでチェックしてくれな。マジで楽しみにしてるのは1stBornとBlack&Mildのアルバムだな。1stBornのアルバムは”The First Draft”ってタイトルで2005年10月リリースだよ。シングルの”So Many Options”は聴いただろ?Black&Mildのアルバムは”Bottled Up”ってタイトルで2005年11月リリースだよ。彼のアルバムは俺にとって”Music 4 A Drunken Evening Part Tow”って感じだな。フリーのプロモーション用のMixTapeもダウンロードできるようになるぜ。俺たちのWebサイトをチェックしてくれな!


■ トラック・メイクの機材は?

XL:MPCとProtoolsを使ってるよ。キーボードにかなりのめりこんでることがわかると思うけど、メインはRoland XP-60, ぼんやりとした感じだけどそれが俺が好きな理由さ。みんなはTritonを使ってるだろ?だからおれは違うルートを意図的に選んだのさ。他にはKorg MS-2000、Mini-Korgも時々使うな。MSの音とはまったく違うからね。最近はMo Phattラックマウントも混ぜて使ってるよ。オリジナルのPlanet Phattラックマウントも持ってたけど、こいつはいい音が出るんだけどそれ以上にバグが多くて。最終的に壊れちゃったよ。正直言うと、今のが壊れたらTritonをとにかく手に入れようと思ってるさ。

■ 今のラップシーンをどう思う?

XL:West CoastシーンはUSのどのシーンよりも、かなりよくなってきたんじゃないかな。才能のあるアーティストとそうじゃないアーティストが同じ市場を取り合っているけどね。このシーンは過大評価されているよ。人が多すぎる。ファンは誰が集中してやってるかわかってないよ。だって全員が次に気を引こうとして叫びまくってるだろ?Westが唯一違うのは俺たちは注目され、メインストリームに俺たちの音楽を持っていくパワーが音楽産業に無いってこと。俺はWestからのそれを突破するようなアーティストをすぐには望んでいない。なぜならWestを除いて、誰も真剣にそれを聞こうとしてはいないから。それにここでもEast CoastとSouthのレコードが他のものよりもたくさんプレイされてるからね。地元のラジオ局で”West Coast Wednesdays”って呼んでる日があるんだ。なんで俺たちの地元で俺たちの曲がかかるのが一週間に一日だけなんだ?"West Coast Everyday"になるべきだろ!?俺たちが俺たち自身の音楽をサポートしなければ誰もサポートしなくなるだろうな。ラジオ局は俺たちの音楽を聞くのに役立つし、アーティストも張り切るさ。
  ”New West”ムーブメントを少し心配しているんだ。俺にとってそれは本当の”New West”ではないんだ。そんな風に音をつくっていっちゃったら、だれでもそんなものをつくれるようになっちまう。East Coastのラッパーみたいにスタイルを変えるのは”New West”でもなんでもないぜってこたえるけどな。

■ 日本のラップシーンはどう思う?

XL:リスペクトしてるよ。俺たちは一緒にいろいろとやるべきだと思うしJin以外にももっとアジアンラッパーが表舞台に出るべきだよ。別にJinが嫌いというわけじゃなくって、もっと俺たちがやってるってことを知ってもらうべきだと思うし、才能のあるアジアンアーティストはたくさんいるんだぜ。II Jayは知ってるし他にも何人かのアーティストは聞いたことがあるよ。ここにも俺自身、Mista Mil、1stBorn、FoesumのDj Glaze達がいるぜ。だから俺と1stBornは一緒に”The Angry Asian Album”をリ来年早々にリースするんだ。もっと俺たちの声が聞かれる必要があると信じるんだ。俺と1stBornはEPMDの2006年版見たいな感じになるぜ!ジャパニーズバージョンのな!

■ 日本については?

XL:I Love Japan! 日本は俺のレコードと俺の音楽をみんなにとどけるサポートをしてくれているよ。今はいくつかのことをやらなきゃいけないけど、来年には日本に行ってツアーをしたいと思っているよ。

■ 寿司は好き?

XL:あたりまえだろ(笑)前に言ったように、ここPasadenaにはたくさんの日本食レストランがあるし、ほとんどのそういう店が日本人経営者によって何年も経営されてるんだよ。実際に日本にあるものと比較してどうかはわからないけどね。そんなに遠くまで車で行かなくても俺が食べたいときにうなぎとかは簡単に手に入るよ。

■今後の予定は?

XL:次のアルバムのタイトルは"100 Proof Music: The Alcothology"で2005年12月リリースの予定だよ。ゲストとプロダクションにFoesum, 1stBorn, Young Hootie, Black & Mild, Rev, Bo-Rocc, Cigar Lee等を向かえる予定だよ。忘れずにwww.crowncityentertainment.comをチェックしてくれよな!

■日本のファンにメッセージを。

XL:みんなのサポートに感謝してるよ。もっとみんなの好きなCaliforniaの音楽を届け続けるよ。もっと日本のみんながFEEL SO WEST COASTになるようにね!それからCrown Cityのニューリリースも忘れないでくれよ。1stBornの”The First Draft”とBlack&Mildの”Bottled Up”もな! Peace!!!


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